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更年期や産後の抑うつ症にオイルマッサージが効果

バラ

リラクセーションとは「ゆるめること」、
ゆるめるの語源は「ゆるす」にあります。

アロマテラピーとは、
マッサージなどを通じて自分を慈しむ行為であり、
がんばった自分をゆるすための行為でもあるのです。


古今東西を問わずバラの花ほど数多くの伝説に彩られた植物はありません。クレオパトラはアントニウスと会見する際に私室の床に20センチメートルもの厚さにバラの花弁をしきつめ、古代ギリシアではバラは愛と美の女神アフロディーテに捧げられました。

歴史上の英雄やヒロインではなくてもバラの香りに思わず魅せられてしまった体験を持つ方も多いと思います。心に与える香りの影響については体験的に知られていても、香りという目に見えないものを物質として取り出すという技術は10世紀のアラビア医学の大家であるアウイ・ケンナ(イブン・シーナ)の登場を待つことになります。彼は蒸留という錬金術的な方法によって香りの本体であるエッセンシャルオイル(植物精油)を取り出すことに成功しました。植物の香りとはまさに植物の魂そのものであるとされ、植物の香りを用いた芳香療法とはヒトと植物の魂の交流であるとされる由縁はここにあります。

バラは「香りの女王」と呼ばれ、そのかぐわしい香りは清純さの象徴であると同時に成熟した女性のあかしでもありました。ローマ帝国が衰退した際にはバラは不道徳の象徴とされ、ローマ帝国の滅亡後はローマカトリック教会により異教徒の花として斥けられました。この「魔女狩り」とも言える不名誉な歴史はルネサンスを迎え、「ヴィーナスの誕生」と共に愛と美の象徴として復活を遂げたのです。


この歴史のようにバラの香りのキーワードは「女性性の復活」と言われます。生理痛や生理前症候群、それに更年期の抑うつ症や悲嘆、ヒステリー、産後の抑うつ症状などにバラのエッセンシャルオイルを用いたオイルマッサージは極めて効果的なケアとして行われています。また強度のストレスが続いた場合に起こる無月経や拒食症などにも効果的です。女性は本来、生理という現象を持つため男性に比べてリズムと共にある存在です。ところがストレスが過剰だったり、一本調子の生活を続けるとリズムを乱しやすく、生体リズムの乱れは自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)に影響を与えるため悪循環に陥ってしまうのです。アロマテラピーは自然のリズム(光合成など)に同調しやすい植物の力を借りて生体リズムを調整するテクニックとしてすぐれており、また嗅覚は食欲や性欲といった 根源的な本能を呼びさますのにたいへん適した感覚系と言えます。ストレスによる神経の緊張をリラクセーションによってゆるめることが心身の健康管理に重要 なポイントになります。

リラクセーションとは「ゆるめること」であり、ゆるめるの語源は「ゆるす(許す)」にあります。アロマテラピーとは、マッサージなどを通じて自分を慈しむ行為であり、がんばった自分をゆるすための行為でもあるのです。

暮らしの実践講座 バラ篇

1.蒸気吸入

エッセンシャルオイルの香りを嗅いで脳に信号を送る方法です。

使用法:ティーカップかボウルに熱湯を入れそこにエッセンシャルオイルを一滴たらします。
蒸気と一緒に有効成分がお部屋いっぱいに広がります。

例:ストレスが強く気分が沈みがちな時にはバラの香りを漂わせると自律神経のバランスを回復し調和を取り戻すことができます。

2.ボディラブ

植物油にバラのエッセンシャルオイルを加えてボディケアに用いる方法を言います。

使用法:マカデミアナッツ油10mlにバラのエッセンシャルオイル一滴を加えてよく混ぜ合わせます。

例:入浴後に皮膚が乾燥する前にひじやかかとなど、かさつきが気になるところにていねいに塗り込みます。

3.オイルマッサージ

エッセンシャルオイルを植物油に希釈してそれをマッサージすることにより皮膚から体内に浸透させます。

使用法:ホホバ油10mlにバラのエッセンシャルオイル一〜二滴の割合で希釈してマッサージオイルを作り、お風呂上がりにマッサージしてすり込みます。

例:更年期のイライラや抑うつ、不眠などの自律神経失調症や生理の前後の痛み、抑うつなどに下腹部や腰のまわりにマッサージを行うとホルモン分泌を調整し不快な症状を取り払います。