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とっておきのツボ – 5

更年期障害に現れる症状

鍼灸医学的にみると更年期障害は腎の衰えを原因とする老化現象の1つと考えられます。このことは気・血、臓腑の肝・脾・心などに影響を与え、症状は、のぼせ、足腰の冷え、動悸、息切れ、血圧が変動しやすくなる、めまいや耳鳴り、頭痛、不眠やイライラ、倦怠感、憂うつ感、皮膚や粘膜の乾燥やかゆみ、急な発汗、肩こり、腰痛、関節痛など多様でいくつかの症状が重複する場合が多くみられます。若い時期にも現れる症状もありますが、更年期の時期は特に注意して観察することが大切です。また自覚症状がないまま少しずつ悪化する「骨粗鬆症」や「高脂血症」などは特に注意が必要です。

腎は生命の源

腎は、生殖・発育の根本であり生まれつき持っている生命力がそなわっています。これを腎精といい、血と密接な関係があります。腎には、骨・脳・歯・耳・髪・足腰を丈夫にし、体液を調節し、陰陽のバランスも担っています。

感情や精神のバランスをとる

腎が衰えると影響を受けやすい臓腑は肝・脾・心です。肝は感情をコントロールする、血を貯蔵する、全身の血量を調整するなどの作用があります。脾は気血を生む源です。心は意識や精神を正常に保つ、血を全身にいきわたらせるなどの作用があります。
こうした臓器が衰えると、血と、生命エネルギーの元である「気」にも変化を与えます。

血の滞りを正常に

血は女性の生殖作用に重要な役割を担っています。月経はもちろんのこと、血の作用は各器官に栄養を与えたり、精神活動に必要な物質を供給します。
気は、気候の変化から身を守る、食物を消化し、必要な物質を取り出して血や栄養素に変える、身体を温める、月経の量や便を調節するなどの作用を持っています。

更年期の食事と運動

食事ではバランスのよい食事を心がけることがとても大切です。とくに更年期を過ぎると血中コレステロール値が上がりやすく、さらに悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減りますので脂肪の多い食品は避けてください。ホルモンのバランスが崩れ骨量が著しく減少して骨粗鬆症になりやすいので牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐などの豆類、小魚等を季節の野菜と上手に料理して摂るように心がけましょう。
更年期以降は、身体が最低限必要とする基礎代謝量が減るため、以前と同じ食事量では太ることになりますので注意しましょう。
また、毎日ウォーキングなど適度な運動をしましょう。生活習慣病の予防や肥満の予防に欠かせません。骨粗鬆症対策として食事で摂ったカルシウムを骨に効率的に取り込むには、運動を併用すると効果がよりよく得られます
※当施設では、個人の個人の症状を把握するとともに、包括的に全身を調整する治療を続けていただくことにより、更年期のQOL(生活の質を高める)を快適に過ごしていただいております。

とっておきのツボ

神庭

安寧をはかり、のぼせた気を下げます。

関元

元気を補います。

神門

気持ちを鎮め、不眠を治療します。

太谿

腎気を補います。

三陰交

脾胃を補い、気血を調和します。