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とっておきのツボ – 16

健やかに老いるために─腎を補うツボ

瀬尾港二鍼灸師 (後藤学園附属はりきゅう治療室)

老いは自然の現象です。避けがたいものですが、できることなら穏やかに健やかに老いを享受したいですね。中医学では、老いに関わる内臓は先天の本ともいわれる腎です。中医学でいう腎には、西洋医学でいう腎臓と違って、内分泌系や脳の働きなどにも関連する広い機能が含まれています。
腎の機能が低下したときに現われる症状として、「足腰のだるさ、歩行障害、精神不振、難聴、耳鳴り、老眼、歯が抜けやすい、健忘、息切れ、インポテンツ、遺尿、浮腫、めまい、不眠、脱毛」などが挙げられます。加齢とともに現われやすい症状ばかりですね。つまり腎の機能を落とさなければ、こうした老化の症状は現われにくいということです。いかに腎の機能を保持するかが健やかに老いるための鍵となります。腎の機能を補うツボをご紹介します。

【腎兪】 (じんゆ)
ウエストラインにある背骨の出っ張りの下(第2腰椎と第3腰椎の間)から左右に親指幅1.5本分のところ。押してみるとズーンと響くような感じがあると思います。腰痛にも良いツボです。

【太谿】 (たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼんだ部分。

【湧泉】 (ゆうせん)
足の指を足の裏側に曲げたときに中指と薬指の骨の間にできるくぼみ。のぼせのある人や、足の冷えのある人にも良いツボです。

【命門】 (めいもん)
ウエストラインにある背骨の出っ張りの下(第2腰椎と第3腰椎の間)。冷え性の人に良いツボです。

【照海】 (しょうかい)
内くるぶしの親指幅1本下にあるくぼみ。

これらのツボに、筒状のお灸や、棒灸という葉巻状のお灸を使うのがいいでしょう。筒状のお灸は1ヶ所に3、4回、棒灸は1ヶ所を5分ずつ温めるとよいでしょう。また、ツボを押すのも効果的です。気持ちがいいくらいの強さで一つのツボを10回程度押してください。背中のツボは家族で押し合うのもよいでしょう。