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人工の川創成川(北海道札幌市)

蘇る

石狩川河口に行こうと、札幌市麻生のバス停に向かうとバスはちょうど出たあとで、次のバスが来るまで小1時間ほど待つことになった。することもなくバス停の待合所であくびを噛みころしていると、後ろの方でカルガモの鳴き声がするので退屈しのぎにぶらっと見に行った。

そこには一筋の清らかな川が流れていて、もう親と同じくらいに大きく育ったカルガモの家族か羽を休めていた。待合所に来たおばあさんに川の名前を聞くと、「創成川」といい、この川は札幌市の真ん中を流れていて、明治のころに人工的に掘った運河だそうだ。おばあさんの子どものころは、この川で水遊びをしたり、洗濯をしていたそうで、鮭も遡上していた。そんなきれいな川も札幌市が大都市になるにつれて、生活排水が流れ込み、「いつからだったか汚い川になったのさ」と嘆いてみせた。ところが最近、人々の意識が変わって、創成川を甦らそうと運動が起こり、昔のようにずいぶんと水がきれいになったとおばあさんは喜んだ。