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ストレスを考える – 3

ライフスタイルを見直そう―ストレス関連部門を強化

このたび附属クリニックでは、内科を基盤とした一般外来、漢方、むくみの専門外来に加えて、ライフスタイル(生活習慣病)に着目した「生活習慣病関連外来」を開設することになった。久保田健之院長にこの窓口の設置の意味と利用法を聞いた。

永田勝太郎医師(ながた・かつたろう)
慶應義塾大学経済学部を中退し、福島県立医科大学入学。1977年卒業後、千葉大学第一内科で研修。
80年北九州市立小倉病院に勤務、池見酉次郎氏に師事。東邦大学大橋病院助手を経て現職。

後藤学園附属クリニックに「生活習慣病関連外来」を開設

ここ数年、学内健診を担当し、学生のライフスタイルの乱れや歪みを痛感しています。ライフスタイルとは、食事や睡眠、排便など、日々の生活にかかわる内容に加え、学業や仕事、家庭生活といった社会的な因子、さらには生き甲斐、やり甲斐といった実存的因子をも含めた包括的な概念と考えます。これはまさにQOL(生活の質)そのものではないでしょうか。
従来、成人病と称されていた高血圧、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などに、ライフスタイルも誘引と考えられる生活習慣病という疾患群が注目されています。低血圧も立ちくらみや朝起き不良など、自覚症状を伴えば、生活習慣病といえましょう。
このライフスタイルの乱れは、好ましくないストレス(人間にとって適度なストレスはむしろ必要といわれている)を発生させ、日々の生活に支障をおよぼすばかりでなく、生活習慣病をも発生させてしまいます。より早い時期から望ましい生活習慣に改めていく必要があり、そのためにもライフスタイルを見直すという動機づけと正しい疾患に対する医学的な知識が必要です。いうまでもなく本校は人々の健康づくりのお手伝いをするための人材を育成する学校です。将来医療を担う人たちが、自らの身体と心の健康を管理していくことは不可欠であります。
そこで、当クリニックではストレス関連の疾患への対応を強化すべく、自己管理の意識、医療としての意識の向上を目指し、「生活習慣病関連外来」を開設することになりました。
ご存じのように学園にはカウンセリングルームがあり、こちらでは心の問題を中心としたカウンセリングで対応し、大きな成果をあげています。それに呼応すべく、附属クリニックでは、身体反応として現れるストレスの問題を中心に扱ってまいります。さらに私どものクリニックや附属施設で培ってきた伝統医学など、個々のニーズに応じた適切な治療を選択していただけるよう考慮いたします。また、より専門的な診療を受けたほうがいいと思われる場合は、積極的に他の医療機関を紹介するよう配慮いたします。
もちろんこの外来は、学生の皆様だけでなく地域住民の皆様にも貢献できるものと考えています。ライフスタイルの見直しとともに、ストレスをむしろ上手に活用していく。これが新世紀型の健康法ともいえましょう。附属クリニックは、この実践法を支援してまいります。