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とっておきのツボ – 10

不眠症に効果のあるツボ

菊池早江子 (学校法人後藤学園付属医療施設 はりきゅう治療室)

不眠症とは

眠れないこと、とくにそれが慢性化したものを不眠症といいます。
不眠には、①入眠閃難②熟眠障害③早期覚醒の3タイプあります。
「眠らなくても死ぬことはない」といわれますが、不眠は健康に大きな影響を及ぼします。頭痛・肩こり・イライラ・不快感を引き起こし、睡眠不足による眠気や集中力低下、体調不良が原因で仕事中のミスや、事故につながることもあるのです。

不眠の原因

一口に不服といっても様々な外因や病因が考えられます。

1、ストレスや不眠を気にしすぎるもの

2、精神疾患によるもの
不安・うつ・アルコール依存症など

3、環境や生活リズムによるもの
・環境の変化/転居・転職・入院など
・環境悪化/騒音・照明・温度・湿度など
・不規則な生活リズム/時差ボケ、夜勤・交代勤務、不規則な生活習慣(食生活を含む)によるもの

4、薬や稽好品によるもの
服用中の薬の副作用や抗不安薬・睡眠薬の突然の中止、タバコ・カフェイン・アルコールなどの過度の摂取によるもの

5、身体疾患によるもの
疲痛・発熱・痒み・冷え性・頻尿・感染症・胃腸障害・腎臓病・心臓病・脳血管障害・臨版時無呼吸症候群・更年期障害など

また、慢性の内科疾患などがある場合は本人が病気に気づかないことが多いのです。

不眠の対処法

原因の除去と原疾患の治療をしましょう。心身の過労や環境の変化からくる一過性のものは、ストレスや心配事が解決すれば、自然と眠れるようになるはずです。
問題なのは、不眠を引き起こしていた原因が解決したのに、不眠状態が続いてしまうことです。もし、不眠症状が深刻な場合は一度、専門医の受診をおすすめします。
しかし、軽い症状の場合は、毎日の生活習慣を見直して、変える努力をすれば、ほとんどの場合改善されるはずです。
それにプラスして、適度な運動や眠る前には自分なりのリラックス法(軽い読書・音楽・ぬるめの入浴・香り・ストレッチなど)を見つけるのもよいでしょう。目が覚めたら日光を全身に浴びるのもおすすめです。
もちろん、ツボ押しも効果的です。

東洋医学で不眠を治す

漢方薬や銭灸治療も有効です。不眠の原因によっては、鎖灸治療で不適応もありますが、適応症の場合はその原因にアプローチして、病状の改善を図ります。それと、不眠の原閃の大部分を占める心身の過労・ストレスを除去します。神経過敏を鎮め、精神安定を促すような治療をします。銭灸治療でリラックスできることを実感している患者さんは多いのです。
治療した日の夜は比較的眠りやすくなります。ぜひ試してみてください。
自分で行うなら、“とっておきのツボ”を寝る前に指先などで気持ちょい程度の強さで10~20回押します。「失眠」は、お灸(市販されている簡単なもの)を熱いと感じるまですえます。