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ナースの知恵袋 – 13

家庭で簡単にできる四十肩・五十肩体操

野村千鶴子看護師 (東京衛生学園専門学校看護学科通信制)

原因と対策

中高年の肩の痛みの多くは、老化によって硬くなった肩関節の腱や関節包の炎症によって起こります。これがふとした動作で悪化し、肩が上がらなくなった状態を四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)といいます。症状は1年~1年半くらい続くことがありますが、年齢のせいだとあきらめないで、適切な処置をすれば必ずよくなります。
四十肩・五十肩に冷えは大敵です。肩が冷えると筋肉も硬直し、肩関節も動きにくくなります。日ごろから肩の保温に気をつけてください。肩の保温サポーター等を上手に利用しましょう。寝ている間の肩の冷えは大敵です。腋の下や肩の上にタオル等を当て、冷えないよう注意してください。夏場クーラーを使うときも注意が必要です。
肩を動かすときはゆっくりと。重い荷物の持ち運びはできるだけ避けてください。ただし、肩を動かさないでいると周囲の筋肉の血行が悪くなるので、入浴時に肩の筋肉を揉みほぐすといいでしょう。
急激な痛みに襲われたら、蒸しタオルやお風呂で温めて安静にしましょう。肩が痛んで夜も眠れないときは、上腕から肘にかけてバスタオルなどを敷いて休むと痛みが和らぎます。
貼付剤や外用剤は医師や説明書の指示通りに使い、鎮痛剤も上手に利用しましょう。

四十肩・五十肩体操

痛みをかばいながら生活していると肩関節が固まって、ますます動かなくなってしまうこともあります。また運動不足は肩関節の老化の進行を早めます。症状の進行や予防のために、次のような体操で肩をほぐすよう心がけましょう。

1.アイロン体操
痛む側の手にアイロンを持ち、肩の力を抜いて腕をゆっくり前後左右に振ります。左右に振るときはアイロンが身体にぶつからないよう注意してください。

2.壁押し体操
腕を伸ばして壁に両手をつけ、両肩に均等に体重をゆっくりとかけていき、肩関節を回しながら動かします。

3.タオル体操
両手でタオル(棒でもかまいません)の両端を肩幅くらいの間隔で持ち、痛くないほうの手でタオルを上方にぐっと持ち上げ、悪いほうの手を誘導します。次にまた痛みのないほうの手でタオルを下方に引くようにして、悪いほうの肩の関節を動かします。

痛みを感じない範囲で、やりやすい体操から始めてください。一度に長時間するより、数回に分けて少しずつやったほうが効果的です。無理をするとかえって逆効果になるので、くれぐれも注意してください。