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別々川(北海道白老町)

ふきのとう

小さな流れを囲むように茂っている木々を抜けて、川の岸に出ると、せせらぎの音とともに、小鳥の鳴き声が聞こえてきた。

空を仰ぐように、鳴き声の方に目をやると、雪に耐え、やっと芽吹きの兆しが現れた枝先に、小鳥が止まっていた。

陽だまりに腰を下ろして、川面と遊ぶ光の子を眺めていると、急にのどかな風が吹き、ふきのとうがいっせいに白い葉裏を見せて乱舞した。
北国の山川草木が遅い春が来たことを告げていた。