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病気にならないための食養生

中医栄養学で夏を乗り切る

日本の夏は高温多湿で、この季節には夏カゼや食中りなどで下痢や腹痛をともなうことが多く、食欲不振になったりします。
中医食養生では、この時期に身体の暑気をはらい、湿を除き、また身体を冷やさないようにすることが求められています。
夏の野菜や果物にはこれらを補完する作用のある物が多く、特にキュウリ、トマト、西瓜、苦瓜には清熱作用や利尿作用あるとされています。

中国では古代から食医という制度があり、病気にならないうちに食事による養生法が唱えられていました。また食医は医者の中でも最上位に位置され皇帝の健康を管理していました。


食医の根本的な考え方は、すべての食材には穏やかな薬効があるということです。悠久の時間をかけた経験則の積み重ねから何時どのような状態の時、何を食べたら良いかが考え出され、食材を四気(五生)・五味という法則性をもって分類しました。

四気とは食材を寒・涼・温・熱とどちらにも属さない平という性質に分けることをいい、身体が火照るタイプの人は寒・涼の性質の食材を、冷え性の人は温・熱の性質の食材をとると良いとされます。


四気の食材個々の味も重要な意味を持ち、中医学では陰陽五行の法則を使い味もまた酸・苦・甘・辛・鹹の五味に分けます。この五つの味は、帰経といって五臓・五腑と各味が対応している(五行図参照)と説明されています。


こうした考えは、個々の人のタイプを陰型・陽型に分け、そのタイプにあった食材を四気・五味で選び調理の方法までも考えた食養生法として、薬膳とか中医栄養学といわれています。

西瓜


五味・性味…甘/寒
帰経…………心、胃、膀胱経に入る。
効能…………熱をとり、暑気をはらう。
いらだち、胸苦しさをとり、渇きをとる。
小便をだす。血圧を降下する。

応用

急性・慢性腎炎:果汁、または大量の皮を煎じた液を飲む。
糖尿病、口渇、尿混濁:西瓜の皮と冬瓜の皮を各15gに天花粉12gを加え煎じて飲む。
高血圧:西瓜の皮の緑色の部分10〜12g、草決明子10gにお湯を注いでお茶代わりに飲む。
熱をともなう喘息による呼吸困難:西瓜の果汁に砂糖を加えて飲む。
高熱による舌の渇き、意識の混沌:西瓜の果汁を少しずつ飲ませる。

苦瓜


五味・性味…苦/寒
帰経…………心、脾、胃に入る
効能…………暑さと熱をとる
目を明らかにし、解毒する。

応用

精神疲労:苦瓜と甘草を一緒に煮て汁を飲む。
また苦瓜の皮を冷たいお茶に入れて飲む。
苦いため野菜炒めやサラダなどに用いるのも良い。
あせも:苦瓜を輪切りにして切り口であせもの患部をこするか汁をとってつける。

キュウリ


五味・性味…甘・寒
帰経…………胃、小腸に入る
効能…………熱を取り去り、渇きを癒す
利尿作用と解毒作用がある。

応用

小児の熱性症状をともなう下痢:軟らかいキュウリに蜂蜜をつけて食べる。
四肢の浮腫:よく熟れたキュウリの皮30gに椀2杯の水を加え、半分の量になるまで煮込む。
この液を毎日2~3回に分けて飲む。または、キュウリ1本の半分を酢で、残りを水で軟らかくなるまで煮て、これを合わせて空腹時に食べる。
あせも:新鮮なキュウリを薄く輪切りにして患部に湿布する。
美容:生で食べるとキュウリに含まれるピルビン酸に糖類が脂肪に転化するのを防ぐ働きがあるのでダイエット効果がある。また、しぼり汁には、顔のしわをのばす作用がある。
禁忌:キュウリは性質が寒・涼なので胃寒の症候や老人性の慢性気管支炎の発作時は食べない。

トマト


五味・性味…甘・酸/微寒
帰経…………肝、胃、肺に入る。
効能…………熱をとり、体液を生じさせる。
胃の機能を増強し、消化を促進させる。

応用

熱病による口の渇き:皮をむいて生食する。
夏の食欲不振:トマトを炒めたあと、水を加えて煮て食べる。
高血圧・眼底出血:2週間、毎朝空腹時に生のトマトを1~2個食べる。