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とっておきのツボ – 1

ギックリ腰はどうして起こるのでしょうか


一般的にギックリ腰は、中腰で物を持ち上げたとき、腰をひねったとき、くしゃみをしたときなどに突然起こることが多く、激烈な腰の痛みをともないます。
医学的に診ると、椎間関節の捻挫で関節にズレが生じたり、関節包の挟み込み、腰椎に連結している靭帯の断裂および椎間板の繊維輪の断裂などが原因で起こります。
急性期には体動により損傷した組織に、さらに伸張力や圧迫力といった機械的刺激が加わるため激しい痛みが誘発されるのです。

症例紹介


患者さんは30代の男性。当日ソファーに横座りで左にもたれた姿勢をしていたらギックリ腰になり、前かがみで歩くのも難しく靴下の着脱もできませんでし た。患部に極めて浅めの鍼刺激を行うと痛みは少し軽くなり、さらに耳に腰痛反応が表れているツボ「腰テイ点」「臀点」に金粒という刺激球を貼ったところ、 痛みが消えて治療ベットからも楽に起き上がることができ、普通に歩いて帰ることができました。(ツボ図参照)

このような急性期のギックリ腰症状には、はりきゅう臨床施設では次のように指導しています

ギックリ腰になった直後は

・安静が第一です。急性期の腰痛に対してはマッサージは行いません。炎症が起きている状態なので押したり、揉んだりするとかえって痛みがひどくなります。
・寝る時は、膝の下にバスタオルを置いたり、横向きで膝を曲げたり腰に負担がかからない姿勢にします。
・発症日から3日くらいは入浴もシャワーも止めます。
・痛みがとれるまでコルセットかさらしを着用して腰を固定、保護し、睡眠中ははずします。
・患部の熱感があれば冷シップで冷やし、熱がとれたら血行をよくするため患部を保温します。
・とくに症状が緩和されないときは専門家に相談しましょう。

再発防止には日常生活の中で工夫を

痛みが消えて、再発を防ぐために普段からどうしたらよいでしょう。日頃から鍼灸治療を定期的に受けて身体のバランスを整えるのも効果的です。それから日常生活動作上の腰椎への負担を少なくするために、次の点に注意してみてください。
・長時間同じ姿勢をしないように。座るときは腰にクッションを置きましょう。
・あぐらをかきたいときは座椅子(背もたれが必要)を使うか、ふたつ折りにした座布団をお尻に敷く。
・布団から起き上がるときは、横向きになってからゆっくりと起きるようにして、布団はやわらか過ぎないように注意。
・重い物を持ち上げるときは、膝を曲げ、腰を落として、身体に物を引きよせて行う。
・寒い日の外出時は十分に身体と相談して無理をしないようにしましょう。

腰痛体操も忘れずに

急性期の腰の痛みがなくなったら、時間を見つけて腰痛体操をしましょう。運動で血行がよくなると、筋肉の弾力性が高まり、骨をしっかり動かしたり、支えたりすることができるようになります。直立姿勢を保つために重要な腹筋や背筋を鍛えると腰に無理がかかりにくくなり腰痛も起きにくくなります。