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とっておきのツボ – 3

ツボと食養生で夏場の下痢対策

後藤学園はりきゅう臨床施設

下痢とは、小腸で吸収されるはずの水分が小腸で吸収されずに大腸に送られ、過剰に水分を含んだ便を排泄することをいいます。
その原因としては腸の運動が高まって、内容物が急に運ばれるため、水分の吸収する時間が少ないことと、腸の粘膜から水分を吸収する働きが低下していることなどが考えられます。主に腸の疾患が原因で起こりますが、心因性の下痢も少なくありません。
下痢は、症状のあらわれ方から急性下痢と慢性下痢に分けられます。いちばん大事なことは、心配のない下痢なのか、それともすぐに医師の治療を必要とするのかを判断することです。

急性下痢

急に起こる下痢でも身体の冷え(寝冷えや冷たい物のとりすぎなど)や暴飲暴食が原因のものは、さほど心配ないでしょう。牛乳、卵、特定の魚などで起こるアレルギー性腸炎も、消化吸収できないために起こる一般の急性腸炎も同様です。医師の治療が必要な下痢は血便、下痢以外に発熱や腹痛、脱水症状を伴う場合です。細菌(サルモネラ、赤痢、コレラ、病原性大腸菌O-157など)やウィルス、原虫による感染性腸炎は要注意です。こうした下痢は有毒なものを排泄しようとする生体防御の働きで上述の症状が出るのです。

慢性下痢

慢性の下痢は継続して2週間以上続いたり、繰り返し起こるものをいいます。過敏性腸症侯群はストレスも影響しますが、便秘型、下痢型、便秘下痢交互型があり、下痢型は最近の日本人にとくに多いようです。その大部分は食後に腹痛を伴って起こり、排便すると腹痛が治まるのが特徴です。その他、慢性の下痢には潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核など炎症性の腸の疾患に多く、発熱や腹痛、血便を伴うことがあり医師の治療が必要です。
鍼灸治療で効果が期待できるものとして、冷え、暴飲暴食で起こる下痢や過敏性腸症候群などがあげられます。

下痢をした時の食養生

○脱水症を防ぐため湯冷ましや番茶をとり水分を補給します。下痢が止まったら、腸の安静を保つため半日か1日絶食をして、消化のよい流動食からとり始めます。
○梅肉エキス等も効果があります。
○整腸には、皮をむいたりんごをすりおろし、汁も一緒に飲みます。
○寝冷えや冷たいもののとりすぎには、ニラを細かく刻んで雑炊でやわらかくして食べます。
〈避けた方がよい食べ物〉
○繊維が多くかたい物:たけのこ、ごぼう、皮のかたい豆、スジ肉など。
○油脂類:植物油、とくにオリーブ油。
○化学的刺激物:香辛料や塩分、大豆・小豆などにに含まれているサポニン、ホウレンソウなどのアクの強い野菜など。
○胃弱な人は、消化不良性の下痢をしやすいものです。とくに体調が悪い時、疲れ、風邪気味の時は、胃腸の働きが弱って過敏になっています。刺激物や、消化に時間のかかる肉類、うなぎなど脂肪の多い物を食べると下痢を起こしやすく注意しましょう。

とっておきのツボ

多くは、胃腸の調子を整えるツボを使います。

天枢・関元・足三里・合谷・大腸兪・脾兪
とくに冷えると下痢をする人は温灸が効果的です。
背中、腰など手の届かないところには、携帯用カイロ等で暖めるとよいでしょう。