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ナースの知恵袋 – 8

電気毛布の上手な使い方と身体の温まり方

これからの季節、寝床に入ったときぽかぽかと身体を包んでくれる電気毛布。とくに冷え性の方は足腰の冷え予防に電気毛布を使用されていることが多いようです。しかし、愛用者の中には、「朝、起きたらなんとなく身体がだるく疲れが取れない」と口にされる方もいます。寝つきが良いのにこのようなことになるのはなぜなのでしょうか。今回は電気毛布と電磁波、そして体内リズムの関係についてお話します。

ビーエ弓子(東京衛生学園専門学校看護学科 専任教員)


通常、私たちは眠りにつくと脳に休息を与え、エネルギーの消費を抑えるために体温は低くなっていきます。そして、覚醒のために再び体温を上昇させ、昼間の 活動に適するよう身体は準備を始めます。言い換えると、疲労回復には、夜間睡眠時体温を低く抑えることが必要で、このような身体のリズムが快眠を保障して いるわけです。
しかし、電気毛布を使用するとどうなってしまうのでしょうか。体温低下が軽微となり、この身体のリズムが乱れ疲労回復を妨げてしまうのです。「寝入りは良いのに、疲れが取れない」とはこのような理由からです。
ま た、最近問題になっているのは電気製品の放つ電磁波による健康問題があります。この電磁波により、頭痛、目まい、胸痛、吐き気、疲労、不眠などの症状を起 こすことが報告されています。電気毛布は直接肌に触れるため、その電磁波に眠っている間ずっと曝されてしまいます。どうしても暖かいお布団に包まれて休み たい方は、電気毛布は寝る前に暖めて、寝るときに電源を切るか、昔ながらの湯たんぽをお使いになることをおすすめします。
そこで今回は、電気毛布のいらない身体が温まる快眠法の提案をいたします。

1 半身浴

半身浴は38度から40度程度のぬるめのお湯に、みぞおちから下だけつかる入浴方法です。個人差はありますが、だいたい20分から30分くらいを目安に入ってください。
この時、浴室内の温度を高めに調節してください。入浴時、寒いと感じる時は、浴槽のお湯を肩からかけたり、シャワーで調節してください。半身浴で大事なことは上半身に水圧をかけないということです。また、寒い脱衣所で湯冷め、立ちくらみのないように脱衣所の室温にも気を使いましょう。

2 両足の温冷交代浴(お湯と水を交代に繰り返す)

洗面器に水と約40から42度のお湯を足首がつかるくらいの量を用意します。まず、お湯から両足を2分くらい浸します。次に30秒ほど水に浸けます。これを3から5回続けて繰り返します。これにより、血行が良くなり、足がぽかぽかしてきます。これらの温浴を行う際には、「入浴剤」や、「木酢液」を使うとさらに効果が期待できます。

3 食療法

以上の方法と、これからの季節、身体を芯から温める食材の選択も効果的です。
肉、魚の動物性タンパク質、ゴボウ、ニンジン、大根、レンコンなどの根菜類などが効果があります。新陳代謝を促進し、脂肪燃焼効果も期待できるとのことで、ダイエット中の方には2重にうれしいことです。
献立としては、けんちん汁、鍋物などです。
これからの寒い季節、身体の中から外からしっかり温まり、健康維持に努めていきましょう。