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十二湖青池(青森県・岩崎村)

群青の水鏡

雨水はブナ林に降り立ち、時をかけて、一滴、一滴と青池に流れ込む。
水滴のひとつひとつの色が青池で出会い、群青色の水鏡となって、幻想的な世界を醸し出していた。

淵に立って水鏡を覗くと、周りの木立が映し出され、水底から木々が立ち上がっているかのような錯覚に陥った。

水面に枯れ葉や朝露が落ち、波紋が静かに静かに水面を渡り始めると、映し出された木々の緑が音もなく怪しくざわめき始めた。すると太古の遠い記憶なのか、胸に神秘的な畏敬の気持ちが湧き起こってきた。