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とっておきのツボ – 13

変形性膝関節症に効果のあるツボ

宮本雪枝鍼灸師 (後藤学園附属はりきゅう治療室)

「変形性膝関節症の人の割合は75%!」

これは数ヶ月前の報道で目にした50歳以上の女性の罹患率です。
確かに、治療室に来院する中高年の膝痛の多くは変形性膝関節症です。
膝が痛くては外に出ることもおっくうになり、楽しく毎日を過ごすことはできません。しかし、正しい知識と適切な治療法を見つけていけば膝の痛みは改善することができます。今回は自宅でも行える療法を中心にご紹介しましょう。
寒くなったり雨が降ったりすると膝が痛むことはありませんか。中医学ではこのような痛みは寒・湿などの外邪と呼ばれる外界の発病因子によって引き起こされると考えます。
これらは痺症(ひしょう)と呼ばれる病証で、関節炎、神経痛、リウマチ、痛風などを包括しています。痺とは詰まって通じないことであり、外邪により関節や筋肉、骨などの気血の流れが悪くなり、痛みやしびれ、ひどいだるさを引き起こします。これらの症状を改善するには、原因となる外邪を取り除き関節局所の気血の流れをスムーズにすることが大切です。

自宅でできるツボ療法


膝の痛みに効果のあるツボをいくつか紹介しましょう。
膝を伸ばしたときに、膝蓋骨(膝のお皿の骨)の上端外側から親指幅2本分上の位置にあ るのが梁丘(りょうきゅう)というツボで、同じく上端内側から親指幅2本分上の位置にあるのが血海(けっかい)というツボです。また、膝を曲げたときに膝 蓋骨の下端内側にできるくぼみは内膝眼(うちしつがん)、下端外側にできるくぼみは外膝眼(そとしつがん)というツボで、これらは痛みを和らげるだけでな く、膝関節に水がたまっているときにもよく効きます。
押すだけでなく、お灸も大変有効です。市販されている筒状のお灸や、棒灸という棒状のお灸は自宅でも安心して行えます。膝周囲を冷やさないためにサポーターやひざ掛け、ホットパックなどを用意しておくのもいいでしょう。
ここで注意していただきたいのは、お灸などで膝を温めたことによってピリピリと痛みが増すようならば、炎症が起きている証拠です。そのようなときは、お灸は控えましょう。
変形性膝関節症の治療には適度な運動も大切です。運動をすることで膝の周りの血液の循環が良くなり、軟骨のかけらが血液中に吸収されるので、膝の痛みを改善することができます。また、膝を支える太ももの筋力をつけることによって膝への負担を軽減することが可能です。ある程度痛みが消えたら積極的に動かし、太り気味の人は減量を心がけて膝への負担を軽くしましょう。ただし、痛みがひどいときは無理して行わず、専門医や鍼灸師と相談しながら適切な治療法を見つけていきましょう。