のぼせ・不眠に効果のあるツボ
瀬尾港二鍼灸師 (後藤学園附属はりきゅう治療室)
冬の間、私たちの身体の中では、外界の寒さに負けないように身体を温めようとする力が働いています。春から夏にかけては、反対に外界の暑さに対抗して身体を冷まそうという生体調整機能が働きます。ところが季節の変わり目には、この冷暖房の切り替えが間に合わないことがあります。その場合、外界の陽気が盛んになるにつれ、体内の陽気も過剰気味になり、くびや頭部に上昇しやすくなります。
この状態では、くびや肩がこる、のぼせる、イライラする、夜なかなか眠れないという症状が出やすくなります。頭痛や耳鳴に悩まされることもあります。
対策は、上った陽気を下げることと身体を冷ます働きを強めることです。この作用を持つツボは次の通りです(写真参照)。各ツボは、親指の先でゆっくり押していき、5秒ぐらい押したあとゆっくり力を抜きます。これをそれぞれ5回ぐらい繰り返してください。お灸は市販されている貼って使うタイプのものが便利です。1つのツボに3回ぐらいお灸をすえましょう。
足の親指と人差し指の付け根、指の股の部分。(指圧か灸)
太谿
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼんだ部分。(指圧か灸)
失眠
かかとの中央。(灸)
湧泉
足裏の中央から指先側3分の1の場所にあり、足の指を足裏のほうに曲げたときに窪むところ。足が冷える人は、洗面器にお湯を入れ、中にゴルフボールを浮かせて、湧泉をゴロゴロ刺激しながら足浴を行うといいでしょう。(指圧か灸)
神門
手首内側のシワ上の小指側。手首をそらせると窪みのできるところ。(指圧か灸)
食べ物では、セリ、セロリ、トマトに上った熱を冷ます作用があります。またお茶として飲めるものに菊花茶や枸杞の実茶、決明子茶(ハブ茶)、桑葉茶も上った熱を下げ、身体を冷ます作用を高めます。材料をティーパックに入れお湯を注ぐだけでいいので、手軽に利用できます。