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記憶力を増す若返りのハーブ

ローズマリー

ラベンダーなどのリラックス系の香りとトニック系のローズマリーを上手に使い、リラックスとリフレッシュを調整し、人間本来のリズムを回復しましょう。


嗅覚は人間の五感の中で最も本能に近い感覚であると言われています。最高次の本能は生存本能であり、敵が近づいてきた時に最も早くそれを察知することがで きるのが五感の中で嗅覚であることからも理解することができます。また動物は厳しい競争の中で生き抜くための知恵を記憶によって伝えていくため、嗅覚と記憶は密接に関係していることが知られています。香りを嗅ぐと、「なつかしい」という言葉がよく出てくるのもこのためです。したがって嗅覚を刺激することによって記憶に働きかけることが可能であり、大脳生理学の分野では脳の海馬(記憶を司る部位)への香りの影響が探求されています。

さて、今回ご紹介するローズマリー(学名Rosmarinus officinalis)は、その成分が強力な抗酸化力を有するため、「若返りのハーブ」や「ブレイントニック」(脳の活性化剤)といった別名で知られています。海に近い場所に育ち、淡い青色の小さな花をつけることから、ラテン語のRos(海の)marinus(しずく)を語源とするこのハーブに秘められたロマンチックな物語をご紹介しましょう。

昔、ハンガリーの女王が70歳の時、痛風で絶望していたのですが、このローズマリーとローズ水を処方したトニックで見事に若返り、隣国のポーランドの王から求婚されたというエピソードが残っています。またシェイクスピアの『ハムレット』で、オフィーリアは「これはローズマリー、忘れないでという印しだわ」と言いました。実際、古代ローマやギリシアの学生は記憶力や集中力を増すために、勉強する時にこのローズマリーのリース(花環)を頭に巻いたということです。


アロマテラピーで用いられる香りにはラベンダーやローマンカモミールなどのようにリラックス系のものが多いのですが、ローズマリーのようにトニック系のものを上手に用いることで、どちらか一方ではなくて、リフレッシュとリラックス、興奮と鎮静という人間が本来持っているリズムを回復することが可能になります。不眠症の人が寝室にラベンダーの香りを漂わせることに加えて、早朝にローズマリーの香りで適度な刺激を与えることで効果を高めることができるのです。

さて、香りが本能レベル、つまり深い記憶(無意識の層まで含めて)に働きかけることができるということは、アロマテラピーのテクニックがイメージ療法などの心理療法に何らかの貢献ができることを示していると思います。実際、イメージ療法の現場に音や香りを併用することでリラックス効果が高まったり、イメージが沸きやすくなったりすることはよく経験されます。香りの心理面への活用は始まったばかりですが、サイコアロマテラピーという分野が確立されることを願いたいと思います。

アロマテラピー 暮らしの実践講座

1.蒸気吸入
エッセンシャルオイルの香りを嗅いで脳に信号を送る方法です。

▼使用法:ティーカップかボウルに熱湯を入れ、そこにエッセンシャルオイルを3、4滴たらします。蒸気と一緒に有効成分がお部屋いっぱいに広がります。
★例:オフィスや勉強部屋にローズマリーの香りを漂わせると、記憶や集中力が高まりミスを防ぐことができます。

2.入浴(アロマバス)
エッセンシャルオイルを入浴時に用いる方法で、香りを吸い込むとともに皮膚からも吸収されます。

▼使用法:入浴時にバスタブに3、4滴たらして手でよくかきまぜてから入浴します。
★例:やや熱めのお湯でローズマリーを用いてモーニングバスを行うと、心身に適度な刺激を与え、快適な一日をスタートすることができます。

3.オイルマッサージ
エッセンシャルオイルを植物油に希釈して、それをマッサージすることにより皮膚から体内に浸透させます。

▼使用法:ホホバ油10mlにエッセンシャルオイル2、4滴の割合で希釈してマッサージオイルを作り、お風呂あがりにマッサージしてすり込みます。
★例:スポーツの前に、膝、腰、肩の筋肉にローズマリーのオイルマッサージを行うと、血液循環が高まり筋肉の反射が良くなるため、けがや事故を未然に防ぐことができます。