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ナースの知恵袋 – 3

家庭療養における3つのポイント

野村尚子(東京衛生学園看護学科教員)

患者の視線で物事を理解する。看護学科実習病院を退院して家庭療養に戻ると患者さんはほっとし甘えが出てしまいがちです。
また家族は患者さんを案ずるあまり安静、安静といい続け、なんにでも手をか けてしまいがちになります。そこで家庭生活のリズムを取り戻すリハビリが大切になります。
お世話する側とお世話される側と双方の関係は、お互いに病状を理 解したコミニュケーションのとれたものでなければなりません。そうすることで、お互い心に余裕をもって家庭での療養生活が快適なものになります。

 

体内時計を活用し規則正しい生活リズムを持つ

病院の制約から逃れ、それぞれの家庭での生活のリズムに戻ります。
その家庭の生活リズムが夜型であれば朝型に直しましょう。夜十分に睡眠をとることで、身体の細胞が活性化されます。また朝の光を浴びることにより、うつ的状況になりやすい気持ちを爽快にし、より快適に過ごすことができます。

頭と身体の規則的な活動を行う

活動といっても身体を動かすものと頭を働かせるものとあります。身体は、使わないとほんとうにあっという間に弱くなってしまいます。日常の生活の中で運動と考えることを取り入れましょう。
たとえば3度の食事の場合も患者さん自身に何を食べたいかを考えさせます。もし自分で調理できるようであればしてもらい、会話を通して食材をどのように使えば、バラエティーよく効果的に活用できるかなどを考えさせ、時間がかかっても、ゆっくりと自力で頑張ってもらいましょう。そうすることで次のような効果が期待できます。
1. 活動することで、肺の機能が活発になる。
2. 身体全体の血液循環をよくする。
3. 食欲を増進させる。
4. 筋力の低下を防ぐ。
5. 気分転換になり、生きている実感がわいてくる。
このように 少しでも自分の身体の動く範囲で、活動を継続することが体調管理に結びつきます。

お昼寝の時間を大切にする

1で述べたように睡眠はとても大切なものですが、回復期には適度な運動と休息のバランスがより大切になります。お昼寝の時間を過度に延長すると睡眠物質の蓄積が阻害されて結局は夜に安眠できない状況になります。お昼寝の時間は、30分ぐらいを目安にしましょう。とくにお年寄りで、お昼寝をして夜眠れないという方は、ぜひお昼寝の時間を考え直してみてください。